ネタバレ注意ですよ、と警告しつつ。
QB魔法少女牧場かとおもったら、野生の魔法少女を捕まえる程度だったというか。QBが「ルール上できない」と言っているのもあながち嘘ではないというか、少なくともQBは神ではないのはわかった。
とりあえず、細かい謎はおそらく作劇上の都合と考えた方がよさそう。そして例によって作品の作りは大変論理的。あと、実はあの人は裏ではこういう人でした、的なな後からわかる印象転換というのも無いと思われるので、現在進行形で謎ではない部分が覆されることはなさそう。
#8-#9で、QBは人為的(?)に魔法少女を作り出し、魔女に追い込むことが目的であることはとりあえずはっきりした。そして、説明が正しいとすると、それは強力なエネルギーを生み出し、文明を支えるためという大義名分がわかった。
とりあえずQBは今のところ故意に回答をぼやかして勝手に相手があやまった解釈をするよう誘導はしているが、嘘はついていないようには見える。
ので、まどかは最強の魔法少女で最悪の魔女になるというのは正しいと仮定する。
「君が死ぬと全世界が幸せになるので、できるだけ悲惨な思いをして死んでください」という話だね、結局。
QBの種族は個体の幸福の最大化ではなくて、集合全体の幸福の最大化を志向するようなので、これは理論的には破綻がない。君が死ねば何人救えると思ってるんだ、なんで死なないの?という理論。
個人的な倫理観はもちろん違うし、その倫理観に賛同するわけではないと断っておいて、そのQBの発想自体は理屈に合っているし、理不尽さはない。というか悪意が無いだけ余計に救いがないというか。
さやかは結局、自分たちの本質を自力で悟って落ちていったのは人物としてはすごいと思う。
杏子はさやかの中にある本質的な孤独を見抜き、せめて一緒にいる道を選んだ。そしてその優しさが更に事態を悪化させているという……
物語の縦軸は「まどかがより悲惨な思いをして、絶望を味わうようにすることで巨大なエネルギーを抽出する」のであるから、これはシークエンスとしては正しい。
当のまどかは、悲しみを蓄積していって追い込まれてはいる。じつは、世界の救済は「彼女がいかに行動をしないか」にかかってるのではないか。上記の縦筋とも合致するので前提に間違えがなければいい線いっているのではないか?
細かい点では、いままでおそらく魔法少女は魔女と戦って敗れるか、自身が魔女となるときに「死ぬ」ので、その死体は常にイヌカレー空間にあったと思われるのだけれども、かつてさやかだった体が唯一イヌカレー空間外に持ち出されていて、しかも、ほむらにわざわざ「死体の扱いには気をつけて」と言わせているあたり、この辺も何らかの伏線ではないかと思わないでもない。これは次週あたりの展開でまどかを追い詰めることになるのかもしれない。たとえば、まさに火葬されてしまうとか。
そして最終回に至るまでの部分で、残る謎は「ワルプルギスの夜」とは何か、と、なぜ暁美ほむらは鹿目まどがが魔女にされるのを阻止しようとしているのか、だなー。
最初の読み筋は、暁美ほむらは(何かはわからないが)結局目的を果たせず、鹿目まどかがその任を次ぐ、と言うものだったんだけど、可能性はまだあるけど、その流れに行くには登場人物が足りない気がする。
色々考えた過程はとりあえずおいといて、おそらく物語的には「まどかをできるだけ悲惨な目に遭わせる」構造なので、それにそって、かつ、ある種のハッピーエンドを用意して完結すると考えると。
残っているコマは、まどかの家族、もしくは、名前が出ているキャストでまだ役割を割り当てられていない早乙女 和子先生あたりか……。
となると気になるのは、和子先生が今週は登場しなかったこと。(授業のシーンは別の先生だった)
この物語は恐ろしく無駄がないので、これには意味があると思うべきだ。
というわけで、ワルプルギスの夜とは、先生が魔女化する事象ではないかと予想。これがまどかの感情を落とし込む最後の企みではないかと。
そして、まどかは魔法少女にはならない道を選ぶのではないか?
そして、インキュベーターが意図的に隠していて、暁美ほむらは気づいている何らかの要素が結末に影響を与えると。
まどかの個人的な事情と、宇宙のエネルギー問題は両方解決することはないかもしれないけど、ハッピーではないかもしれないけど、きれいに完結することは確かだ。
もう3話? いやまだ3話もあるから、本当に見逃せない……。
余談だけど、友人とのディスカッションで「#8に登場したホストに貢いでいたのは和子先生ではないか」説が出てきたけど本筋とあまり関係ないから描写はないかもだけど、そういうことかもしれんね……。さやかもそれを知って絶望したのかもね。